特集「村の公文書」展 (神山町郷土資料館所蔵資料より) 4

book村役場の一年 
        −昭和16(1941)年の上分上山−4月〜6月

【4 月】
  4日 南谷線日浦谷の所、道路工事が竣工し検査。
 12日 「軍人遺家族懇談会ヲ行フ」。
 19日 「合祀祭並招魂祭執行」。
 22日 公種痘を実施(〜23日)。
 27日 林道関係調査のため、県林務課技師が来村。
 28日 臨時召集があり、応召兵士の壮行式を挙行。「結核予防令旨奉読式」。
 29日 「天長節、青少年軍結成式」。     [天長節は昭和天皇の誕生日]

上分江田の美しい棚田
写真3 「上分江田の美しい棚田」(『神山町史』より)

【5 月】
  2日 「煙草中堅青年講習」。
      [神山旧5か村のなかで煙草生産が盛んなのは上分上山・下分上山の両村で、江戸
       時代から栽培されていた。しかし、急速に生産が拡大するのは大正時代であり、ピー
       クは共に大正13(1924)年で上分の栽培面積42町歩・収量2万6千貫、下分33
       町歩・2万1千貫(下分上山村『大正元年以降煙草耕作成績一覧表綴』による)で
       あった。昭和になると生産は減少に転ずる。需要が阿波葉の「刻煙草」から洋葉(黄
       色種)の「紙巻煙草」に移っていったこと、戦時中に国策によって食糧増産がはから
       れたことが理由であった]
  8日 酒類共同配給所設置協議会。
 10日 村会開会。労務動員協議会。
 14日 軍需工場要員充足協議会。
      [昭和13(1938)年の国家総動員法にもとづき、翌年国民徴用令が発布された。こ
      れによると、政府は16歳以上45歳未満の男子、16歳以上25歳未満の女子を軍・政
      府の管理工場・指定工場に労働力として徴用することができた]
 23日 石井国民学校(名西郡石井町)で徴兵検査を実施。
      [この年4月1日、「皇国民」となるための基礎を練成するという目的で尋常小学校を国
      民学校と改め、初等科6年・高等科2年の計8年を義務教育とした。上分上山尋常小
      学校も上分上山国民学校と改称した。ただし、高等科の義務制は戦争の激化にともな
      って無期延期となり実現しなかった]
 24日 村長が県下町村長の代表として、在満州郷土部隊兵士の慰問、満州・朝鮮の視察の
      ために20日間の出張。
 27日 海軍記念日。

【6 月】
 21日 腸チフス予防注射の第1日(第2日は27日、第3日は7月3日)。
 28日 応召兵士の奉告祈願祭・壮行式を挙行。

その1その2その3その4
-------------------------------------------------------------------------------------©2007.09 板東紀彦