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徳島の幕末・維新史シリーズ

「御触控」・「諸控」・「御用録」・「草案」などから変革期の人々の日常を順次紹介します。

【第1回】・【第2回】・【第3回】


【第3回】 

 
漁村文書が伝える若者たち

  幕末社会の秩序とエネルギー

海部郡 浜名家文書「草案」より

  
  若者たちのエネルギーは、時代を超えて「世間」の価値観から逸脱しようとする。おとなや支配者がつくった秩序や社会規範のなかに収まろうとせず、それをのり越えようとする。世相に“混乱”や“不安”があったり、政治の腐敗が表面化したときにはとくにそれは激しく噴出される。そこにはつぎの時代を準備しようとする価値観がはたらいてる場合がある。ここに紹介する幕末の漁村の若者が、雇い主と彼らをとりまく「世間」に対して自己規制を誓った文書であるが、この「御請書之覚」のなかにはそうした若者たちの姿がある。時代は元治元(一八六四)年のことである。



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   木岐浦若者共、向後心得方御取り究めニ付き

御受け判指し上げ奉るの控  [読み下し]

           ( マイクロフィルム当館蔵 )

    仕上御請書之覚

一、若者共、浦内相応相暮らし候者、婚礼これあり、

 候得ハ樽銭と申し唱え大勢寄り合い申し談じ金銀

 など相貪り候儀甚だ不都合の仕成ニ付き向後右

 不都合の仕成方仕る間敷き事

一、毎年祭礼諸道具など若者共うけ持ちの

 仕来たり宜しからざるニ付き向後の義ハ氏子中の引き

 受けニゐたし右修覆などの節ハ漁頭百人

 の内重なる者親しく申し談じ氏子壱統より

 仕り候様仕る可き事

一、兼ねて大勢寄り合いの儀は御触れ達し御取り究めに相成り

 候ニ付き向後若者共大勢心の侭に寄り合い申し

 談じいたし候義は仕る間敷き事

一、百人組若者名目不都合悪得筋ニ付き

 右名目并定宿など向後指し止め申すべき事

一、婚礼の節、石打ちなど兼ねて御触れ達し御取り究め

 仰せ付けられこれあり候に付き向後右石打ちの儀は仕る間

 敷き事

一、毎年、左儀長真木松并びに右ニあい用い候小松など

 村浦林ニて持ち主へあい断らず心侭ニ伐り取り候義甚だ

 宜しからざる仕来たりニ付き、向後持ち主ヘ懸け合わず心の侭ニ伐り取り

 候義且又右ニ付き店方などへ不都合苛察の

 仕向きなど仕る間敷き事

一、浦内人別の者質入れニゐたしこれある衣類

 不漁などニて盆正月祭礼の節質請け

 出来難く候得ハ若者へ頼み出で、若者共大勢

 質屋へ罷り出で懸け合い借り受け候仕成し甚だ宜しからざるニ付き向

 後右様の義仕る間敷き事

 

一、土地店方米麦不自由または少々米

 麦高直の売り方などこれある節は若者共

 大勢詰め懸け取り調べいたし候仕成し甚だ宜しからざるニ付き

 向後万一右様の義これある節は取り調べ方所

 役人へ申し出ず不都合の仕成しなど仕る間布き事

一、右の外、何事に依らず若者共寄り合い不都合

 苛察の仕成し方仕る間敷き事

  ( 以下省略。写真は一部のみ。 )



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